経験こそ、財産。
知らないから、挑む価値がある。

船舶事業部中国事業部 尾道営業所

前田 雄馬

船舶事業部中国事業部 尾道営業所

前田 雄馬

Section01
経済学部から、施工管理に

前田雄馬は、大分大学の経済学部出身。まったく違う世界から、施工管理の道に飛び込んだ。「この会社、いいらしいぞ」。そう言って最初に長崎船舶装備をすすめてくれたのは、会社経営をしている父だった。「自己資本比率が高くて、取引のある銀行からもすすめられたそうです」。試しにネットで調べてみたら、船の内装をしているらしい。そのときに、子どもの頃、大工にあこがれていたことを思い出したと前田は振り返る。「就活では、営業職を志望していたんです。でもこの会社なら、営業だけでなく、ものづくりもできる。がんばりしだいで、もっと上の仕事もめざせそう。他にも内定をもらっていたんですが、受けてみようと思いました」

Section02
「ジゴク」と向かい合う

入社後、7年間は、関西にあるいくつかの営業所=造船所を渡り歩いた。この間、さまざまな船も経験してきた。バルクキャリア(貨物船)の居住区を2年。タグボートを4年。大型客船やサルベージ船などの修繕を1年。特に印象深いのは、タグボートだ。タグボートは他の船に比べてサイズが極端に小さく、全長が20mほど。そこに、10m×5mの居住区を作る。しかも昔ながらの従来工法で作るのが慣習であり、今も木材で居住区を作り上げていく。「タグボートでは、木材の使い方を学びましたし、ものすごく狭いすきまに、家具を入れなきゃいけないんですよ。ほとんどが『ジゴク』なので大変でした」。ジゴクとは「地獄」という意味ではない。業界用語で、壁に寸分のすき間なくピタリと家具をはめこむ設計のことを、「ジゴク」と呼ぶ。丸みを帯びた船内空間ではただでさえ難しい設計なのに、狭いタグボートではさらにその難しさが増す。「図面上ではおさまっていても、実際やってみると、引き出しが開かないなんてこともしょっちゅう。そういう時は、家具自体を小さくするんですよ。自分たちで切ったり、削ったりして。そういう臨機応変さも学びましたね」

Section03
難しい現場を任される誇り

そして現在は、尾道営業所で勤務。ここでも特殊な船を担当した。海上自衛隊の護衛艦の改造工事である。驚いたのは、研修や調査の徹底ぶり。造船所に入る前と護衛艦に乗り込む前に安全研修を受け、レーダー室に入る前には身辺調査も受けた。艦内にはスマホの持ち込みも禁止。職人さんたちとコミュニケーションをとるため、広い艦内を歩き回りながら、200人以上の乗組員の家具やベッドをすべて入れ替えた。
尾道営業所の施工管理は現在、6人体制。メインはバルクキャリア(貨物船)だが、前田は、次は巨大なRORO船(コンテナトレーラーごと運搬できる輸送船)の新造工事を担当することになっているそうだ。「僕は難しい船、新しい仕事を任されることが多いんですよ。人よりいろんな船を経験してきたのでね。うれしい?いやいや、しんどいですよ(笑)。新しいやり方を覚えないといけないので。でも、やりがいはあります。新しいことをするのが、好きなんでしょうね」

Section04
涙の先に、見えてきたもの

そんな前田にも、「やめたい」と思った時期はあった。入社半年で、1人で現場を担当することになったときのこと。知識も経験も乏しいうえ、職人さんとの面識も浅い。そのうえ、当時の造船所の担当者が厳しい人で、何度も現場で怒られた。「わからないままやっていたので、うまくいきませんよね。でも自分は完璧主義者だったので、できないのが悔しくて」。誰にも見られないよう、フォークリフトの運転席で、1人で泣くこともあったという。なのに、なぜやめなかったのか。「この仕事が嫌いじゃなかったんですよね。図面を見ながら考えるのが好きだったんです。で、うまくできあがったら、うれしいですもんね。もう1つは、先輩が楽しそうだったんです。上司にも助けてもらいましたし、ここを乗り越えたら、俺も楽しくなるんだろうなって。あのときやめなくて、ほんと、よかったです」
今は、あの頃まぶしく見えた先輩たちの気持ちがよくわかるという。「この仕事って、かなり自由なんです(笑)。工程も自分しだいだし、予算についても、見積もりから交渉、支払いまで任せてもらえる。こんなに自由にやらせてくれる会社は、そうそうないんじゃないですか」

Section05
仕事もプライベートも大事

職場を離れれば、二人の子を持つ父親。ワークライフバランスも大事にしたいと前田は思っている。「いつもだいたい19時までには家に帰ります。定時(17時)で帰ることも多いですよ。そのへんも、自分しだいなんですよ。早く帰れるように、自分で段取りをすればいい。だから休みも積極的にとるようにしています。子どもたちと過ごす時間を大事にしたいので。あと、この会社、待遇もいいと思いますよ。特に家賃補助が大きいんですよ」

Section06
知らない場所で働く楽しさ

もともとは長崎出身。だがずっと地元で働きたいというこだわりはないという。「転勤に不安を感じる人もいるようですけど、いろんなところに住めるのも、僕は好きですね。知らないまちを歩くのが好きなんですよ。もちろん、仕事上では異動の苦労はあります。場所によってやり方が違うのでね。でも、それも新しい勉強。知らない場所で、0からスタートするほうが面白くないですか?のびのびできそうな気がして。いろんな場所で働くほど、いろんな人と知り合えるのもいい。ネットワークが僕らの財産なのでね。次は東北とか、北海道とか、行ってみたいですねぇ!」
新しい場所。未経験の船。さまざまな垣根を超えるたびに、成長できることを、前田は知っている。

採用情報

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